2023年2月アーカイブ

皆様、

我々心理学科同窓会の会長であられる久田満教授の最終講義にあたる記念シンポジウムの開催が決まりましたのでご連絡申し上げます。

上智大学 多文化共生社会研究所主催公開シンポジウム「東日本大震災と心のケア--被災者の受援意識に焦点をあてて--」と題しまして開催されます。

<趣旨>
大災害時には膨大な量の支援が届けられる。義援金、水、食料、衣服などの物質的支援や多くのボランティアによる瓦の撤去や行方不明者の捜索活動といった道具的支援である。家を流され、食べ物もなく、寒さに耐えなければならない災者にとってはありがたい支援であろう。
では「心のケア」場合はどうであろうか。被災者という極限状態におかれた人々の心に直接働きかけることは時として無味であったり、被災者を傷つけたりすることさえあり得る。逆説的ではあるが、「心のケア」では心に触れてはいけないこも少なくない。傾聴や共感も時として余計なお世話となり、受援者に負担をかけてしまう。
本シンポジウムでは、この日12年目となる東日本大震災の場合を振り返り、いつ、どこで、何をすることが「心のケア」とて意味のあることかを今一度、考えてみたい。基調講演においていくつかの支援例をお示しした後、シンポジストの方々「よかった支援」や「そうではなかった支援」について多方面から討論して頂く。災害大国日本での今後の災害時におけ適切な「心のケア」が少しでも明確化されることを期待したい。

プログラム
<ご挨拶>
曄道 佳明 上智 大学長(予定)

<第1部>
基調講演:大災害時の心のケア-福島県における支援活動報告
久田満 (上智大学多文化共生社会研究所・所長)
2011 4 月から福島県に通い続け、主に支援者の支援に携わる。専門はコミュニティ心理学。

<第2部>
公開シンポジウム:被災者にとっての「ありがたい」支援とは
シンポジスト敬称略
安村誠司 (福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座・教授)
発災後、県民健康管理センターの立ち上げに関わり、災害疫学・公衆衛生学の立場から運営に尽力。
小野田克子(福島県南相馬市立総合病院・看護部長)
発災当時原発から 23km に位置する総合病院で患者の救命救急や搬送に従事。
中村菜々子(中央大学文学部心理学科・教授)
義母が福島県内で被災。県内各地で心理的支援に携わる。専門は臨床心理学、援助要請行動論。

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写真など

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