上智大学法学部卒業生の皆さんの「学生時代の思い出」を不定期に掲載しています。あんな人、こんな人、いろんな人が登場しています。
第8回目は矢島基美さんです。
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私の学生時代
私にとっての学生生活は、図書館によって彩られている。もちろん、恩師、佐藤功先生との出会い、そのもとでの学びは深く記憶に刻み込まれている(こちらの思い出については『ソフィア』に寄稿し、『わが母校 上智大学』(ぎょうせい、2013)にも収載されている)が、一利用者として、また、貸出・返却業務のアルバイト学生のひとりとして、学生生活の多くの時間を図書館で費やしていたからである。
当時の図書館は、正門を入って左手脇のL号館なる建物にあって、1階に参考雑誌室、いかにも趣のある階段を3階まで上がり通路を隔てた左右に図書貸出・返却室と大閲覧室が配されていた。利用者としての私は、天井が高く、室内を一望できる大閲覧室よりも、新着雑誌が並ぶ参考雑誌室奥のこぢんまりとした閲覧室の方が好きだった。
アルバイトするようになったきっかけが何であったか、今となっては記憶も定かではないが、閉架式(一般学生は書庫に入れない)のゆえに、私たちアルバイト学生はふたり一組で、通例は週日の17時から閉館時間の20時まで、閲覧用紙に記入された図書を書庫に取りに行って貸し出したり、返却された本を書庫に戻したりする作業に従事した。
アルバイト学生には、アルバイト時間以外にも書庫に立ち入ることが認められており、本好きの私にとって実にありがたかった。また、長期休暇には蔵書点検などが実施され、請われてそのお手伝いもしたが、書庫内にはエアコンがなく、夏ともなれば、ねじり鉢巻きと短パンのみで動き回った。まさに隔世の感がある。
矢島基美
1980年法学部法律学科卒業
1982年大学院法学研究科博士前期課程修了
1982年大学院法学研究科博士前期課程修了
1985年同博士後期課程単位取得中退
現在、法学部教授、法学部長、法学部同窓会副会長
※写真は当時の図書館の様子です