2017年3月アーカイブ

上智大学法学部卒業生の皆さんの「学生時代の思い出」を不定期に掲載しています。あんな人、こんな人、いろんな人が登場しています。

第5回目は宮崎輝雄さんです。

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私の学生時代の想い出は1年生の頃から本格的に携わってきた語劇祭実行委員会に尽きます。毎年12月初旬に平河町砂防会館で各語劇を上演するイベントです。1年生の1968年の時は気楽にやっていたのですが、12月の語劇祭の前に学園紛争の影響もありにわかに慌ただしくなりました。

そのため翌69年の語劇祭参加グループは3か国語程度に減り、各語劇から派遣されている実行委員も激減。私の所属のドイチェルリンクはその年も公演をすると言う事で私は実行委員会に残りました。
そして副委員長を拝命。とは言っても総勢は実行委員長とたった2人。翌70年には実行委員長をやらざるを得ないと覚悟を決めておりました。

69年の公演の時にいつもお借りしていた会場が翌年には借りられないと砂防会館から言われてしまいました。それで、翌年年明け早々から会場探しに奔走。当時はネットなど無く、都内にある公会堂やホールなどを電話帳で片っ端からリストアップし一覧表を作り当たってみる。日程や予算など念頭に入れあちこちと足を運びこまめにチェックし交渉をする。今と違って当時の公会堂はボロの極み。赤坂公会堂、杉並公会堂などその典型。千代田公会堂は演劇公演には向かない手狭さ。四ツ谷の母校から比較的近くて交通に便利な所として最終的に中野区公会堂に決定。今ある中野ZEROホールの前身。平らな地形にあり大道具の搬入なども容易に出来そう。そして何よりも中野区公会堂の職員さんたちがとても親切で親身になってくれました。

会場が決まれば次は講演を希望する語劇グループに打診。もともと参加予定のフランス語、ドイツ語の他イスパニア語、ロシア語、ポルトガル語の各関係者と相談。結局、イスパとロシア語が参加決定。ポル語は最終的にまとまり切れず公演を断念。
3年生の新学期の単位登録では、必要最低限の30単位しか登録をせず、1単位でも落とすと進級に影響が出かねない背水の陣でスタート。

語劇祭実行委員会の仕事は、各語劇と協力し演劇公演を成功させること。そのためには各語劇グループへの大学からの援助補助を確保すること。まずは稽古をするための会場確保。これは使用する前月までに学生生活課に申請をしますが、当時の学生生活課の職員の皆様にはいつも温かい言葉と支援を頂きました。赤崎さんや課長さんなど皆さんに可愛がっていただき概ね1号館を稽古場として割り振っていただきました。

語劇祭のパンフレット作成に当たっては、諸先輩方を回って広告を掲載していただき広告料をいただくのも大事な仕事でした。また、日本語や英語と違って各語学とも特殊な文字を使うため印刷屋さんが限られていて、原稿や版下、ゲラなどの交渉、校正など印刷屋のある音羽まで足繁く通いました。

大学から支給される活動費は各語劇に配分してしまうため、語劇祭実行委員会としての活動費が枯渇してしまうこと暫し。どうしてもの時は顧問でありましたピタウ理事長にご相談に行くとポケットマネーを下さいました。神父様にお金を頂くなどとても恐れ多いことでした。

夏も過ぎいよいよ秋となると各劇の関係者も慌ただしくしていました。記憶が定かでないのですが、各語劇に入場券付のパンフレットを配布し、その上がりを活動費の回収に充ててもらいました。各劇では仲間内でノルマがあったようにも聞いています。いよいよ語劇週間が始まり各劇ともそこそこに入場者があったように記憶しています。

初日がドイツ語劇、その後の順番は忘れましたが、それぞれの劇でのカーテンコールを舞台のそでで毎日見ていてこちらまで感激してきました。1年間の皆さんの稽古や努力を見てきましたのでそれは人塩でした。
全部の劇が無事打ち上げを迎えた時には、この一年を振り返り万感の思いがこみ上げてきました。今振り返るとその一年間は自分にとっての一生の宝物になったと思いました。今でもその時一緒にやってくれた各劇の皆さんには心から感謝を申し上げます。

当然のことながら4年の時は他のみんなとは異なり朝から晩まで授業に明け暮れ、就職内定先からも必ず卒業するようにと発破をかけられていました。そんな慌ただしかった3年、4年の時でも暇を見つけては旅行に出かけてました。忙しい時ほど時間の遣い方は上手くなるものですね。

宮崎輝雄
法学部 法律学科 
1972年
不動産鑑定士
上智大学法学部同窓会役員
上智大学ソフィア会広報委員 
SNSソフィア会代表

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2017年は法学部設立60周年です。奮ってご参加ください。

上智大学法学部同窓会企画・主催
セミナー "法と実務の最前線"リーズ 第9回

日時:2017年3月23日(木)18:30~20:00
会場:法学部大会議室(2号館13階)
テーマ:トランプ政権のTPP離脱 ― 日本の針路を探る
講師:福島 政裕 東海大学政治経済学部特任教授
     
<講師からのひと言>
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉で日本と連携してきた米国。その指導者となったトランプ氏が2017年1月23日、「TPP交渉から永久に撤退する」旨の大統領令に署名。日米同盟を深めるはずのTPPが絶望的になり、TPP交渉参加国の足並みも乱れるなど、米国離脱後の構図は描けていません。

TPPに関する著作は少なくありませんが、TPP協定の内容を踏まえた研究は緒に就いたばかりです。TPP交渉は秘密裏に進められ、情報開示はごく一部にとどまっていたためです。

このセミナーでは、政治と経済の総合的視点から、TPPとはどのようなものであり、日本は米国のTPP離脱後の世界にどのように対応したらよいかを探ります。

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「法と実務の最前線」セミナーは、主に、民間企業や官庁などにおいて法律関係の実務にたずさわっている法学部同窓生や、学問研究をおこなっている法学部所属教員を講師としてお迎えし、昨今の立法事情、行政運営、判例の動向など踏まえつつ、できるだけホットでタイムリーな話題を取り上げ、解説なり検討なりを加えていただこうとするものです。

専門性に富んだテーマが展開していくことになりますが、"法と実務の最前線"に接することのできる良い機会ですので、分野を超えた多数の方のご参加を期待しております!

法学部同窓生のほか教職員、大学院生、そして他学部の卒業生も無料で参加できます。

問合せ・申込み: hougakubu-alumni@sophiakai.gr.jp
※お申込みの際は、氏名・卒年・学部・学科をご記入願います。

上智大学法学部卒業生の皆さんの「学生時代の思い出」を不定期に掲載しています。あんな人、こんな人、いろんな人が登場しています。

第4回目は宇佐美諭さんです。

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大学を卒業して40年余り。卒業間近の1ヶ月ほど、寝袋と柔道着を持って出掛けたヨーロッパとモロッコの旅が忘れ難い。旅行会社に勤めていた柔道部の先輩から、格安航空券があるので行ってみないかと誘われたのがきっかけである。親に頼み、費用は工面できた。

ユーレイルパス(乗り放題ヨーロッパ鉄道パス)を利用し、パリからノルウェーのベルゲンまで北上、その後スペインまで南下し、モロッコまでジブラルタル海峡をフェリーで横断する、自由気儘な一人旅であった。雪の積るベルゲンではホームシックを経験した。スイスではアルプスの雄大な風景が気に入り、インターラーケンに数日滞在した。


日本を発つ前、柔道部の先輩からモロッコ在住の日本人柔道家を訪問するよう依頼されていたので、首都ラバトにあるその方の自宅横の道場で1週間ほど稽古をした。奥様はアルジェリア人で料理上手、朝食に出してくれた子羊の料理は全く臭みがなく、羊肉へのイメージを一新した。その間、車に同乗し、カサブランカにも柔道の練習に行った。オリンピック選手もおり、柔道が盛んなのに驚いた。

今振り返ると、若いからできた大胆でハードな旅であったが、この体験を通じて視野が世界に拡がり、後の人生の大きな糧になった。その2年半後に直面した米国での勤務も臆することなく、乗り切ることができた。今振り返れば、あの旅で出会えた全ての人に感謝したい気持ちで一杯である。

宇佐美諭(うさみ さとし)

法学部 法律学科 1975年3月卒
元 上智大学体育会柔道部OB会 会長
智大学ソフィア会 常任委員
上智大学法学部同窓会 副会長

(いずれも写真の一番左が宇佐美さんです)


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写真など

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