2018年9月アーカイブ


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Que pena!"

 

私のクラスのポルトガル語会話の授業はローシャイター先生が担当されました。ローシャイター先生のポルトガル語会話の授業では、毎週、テストがあり、翌週は一人ずつ呼ばれて、ポルトガル語のコメント付きで答案が返されました。私の答案への最初のコメントは「Que pena!」でした。意味が分からず辞書を引いてがっかり。あまりに成績が悪いので「残念です」と言われていたのでした。

その後、卒業に至るまで、ローシャイター先生は、私に答案に返される時に、Que pena!」と、いつも微笑んでこのコメントをおしゃっていました。

 

学科の先輩たちからは、ローシャイター先生はリオグランデ・

ド・スール州のご出身のドイツ系ブラジル人で、非常に長身であると聞いていました。さらにドイツ人以上にドイツ的で授業は厳しく、しかも曲がり角は直角に曲がると噂されていました。

 

「最初に覚えたポルトガル語は?」とブラジル人の方々から、質問を受けます。」私が「Que pena!」だと言うといつも大笑いされます。

 

大学を卒業後、細々とポルトガル語の勉強を続け、仕事で必要になり、平成6年にポルトガル語の通訳案内業の試験に合格し、平成7年にポルトガル語の通訳案内業現通訳案内士)の免許証を手にすることができました。


私のポルトガル語の原点は「Que pena!」です。今、考えてみると、「Que pena!」はローシャイター先生からの「今回は残念だったけれど、次回は頑張れ」という、叱咤激励のメッセージではなかったのかと思っています。

 


 ソフィア祭での「カフェ・ド・ブラジル」の立て看板

 

ローシャイター先生は、授業態度が良くない学生には、いつも厳しい態度を取られ、決して真面目とは言えない私にとっては怖い存在でした。その一方で、私たち学生が一生懸命に取り組み、問題を解決しようとして相談にいくと、授業以外でもいつも力になっていただいていました。

 

1974年、私が大学2年生の時に、ポルトガル語学科生のサークルで、ソフィア祭に、ブラジル・コーヒーをブラジルのお菓子つきで出す模擬店、「カフェ・ド・ブラジル」を出店しようということになりました。私たちは、日本橋室町にあったブラジル・コーヒー院に、ローシャイター先生の手紙を持って行き、お願いすれば、コーヒー豆を無償で手に入れることができるということをサークルの先輩から聞いて知っていました。

 

ソフィア祭実行委員会による出店場所の抽選があり、出店場所は1号館の前になりました。

サークルの代表が、ローシャイター先生に、この模擬店出店の話を持っていったところ、快諾され、すぐに手紙を書いてくださいました。サークルの代表、同期生の一人、私の3人は、ブラジル・コーヒー院に出向きました。ローシャイター先生の手紙の効果は絶大で、ブラジル・コーヒー院から大学祭で模擬店を出すのに十分なコーヒー豆を無償で提供していただきました。

 

ソフィア祭の開催まで、残り一週間くらいになった時、突然、イラストを描くのがうまい同期生の一人が、「カフェ・ド・ブラジル」の立て看板も作ろうと言い出しました。彼は「ローシャイター先生の等身大の立て看板があれば、宣伝効果は抜群」と主張し、この案に決まってしまいました。サークルの代表、この同期生と私の3人で、ローシャイター先生に、恐る恐るお願いに行ったところ、今回も二つ返事でOKをもらいました。

 

この3人で、2号館の空き教室にベニヤ板を持ち込み、これを切って、ローシャイター先生の等身大サイズの「ひと形」を作りました。その上に模造紙を貼り、似顔絵を描き、色をつけて、立て看板を完成させました。立て看板は、長身のローシャイター先生が微笑んで立っていて、右手に「カフェジーニョ」の入ったデミタスカップを高く差し上げている姿を現したユーモラスなものでした。

 

この立て看板は、ソフィア祭に来ていたポルトガル語学科の卒業生、在学生の間で大評判となりました。さらに本場のブラジル・コーヒーが飲めることで、ポルトガル語学科関係者以外の一般の来店者も、ひっきりなしで、「カフェ・ド・ブラジル」は大繁盛でした。

 

ローシャイター先生にも、この立て看板を見ていただきました。先生は上機嫌で、「よく出来ている」とお褒めの言葉をいただきました。立て看板の隣で、先生に立て看板と同じポーズを取っていただき、記念写真を撮りました。その時に初めて気がつきました。立て看板の方が、ローシャイター先生より5センチほど高かったのです。

 

松井郁雄 (78外葡)

(注:同期生はローシャイター先生と呼んでいました。)


同窓会メール宛に、下記の通りご報告メールをいただきましたのでご紹介いたします。

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昨年、8期としては、同期の河村伸一郎の娘さん(河村有美さん、プロのソプラノ声楽家新橋のアルテリーベという声楽レストランに出演された際に、同期会を開きました。6人という少人数でしたが、40年超ぶりに会う同期もおり、楽しいひと時を過ごしました。

 

                    (ポル語8期幹事 日野記)


海外で活躍している卒業生より下記の案内をいただきましたので、ご紹介いたします。


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皆様

 

初めまして。

ポルトガル語学科を17年に卒業致しました、柴ありさと申します。

1年間商社勤務をした後ドイツへと渡り、フランクフルトにてNatto24という納豆専門店を開業致しました。

 

上智大学に入学する前から「人に職を提供する仕事がしたい」「ブラジルのファベーラの人々に職を与え、学べる環境を整えたい」という思いが胸にあり、卒業後も色々なことへ手を伸ばし、活動して参りました。

 

この度はご縁がございまして、ポルトガル語学科を卒業したのにも関わらずドイツという地に足を踏み入れたのですが、土壌を変えても職種を変えてもやりたいことは変わりませんので、

ドイツにて日本の食文化を象徴する納豆を広め、ゆくゆくはブラジルに大豆農家を購入しそこに隣接した学校を作ることで、人々に職と学びの場を提供できればと考え、日々奮闘しております。

 

先ずはその第一歩として、911日よりブラジル産有機大豆の輸入を開始致しました(HP916日を目処に更新致します)。

その他にも中国・タイ・カナダより大豆を取り寄せており、現地に滞在している日本人の方を始めとし、ベジタリアンやビーガンの方等、健康に気を遣うドイツ人の方々へ納豆を提供しております。

 

通常は製造業をメインとし、オンラインショップにて配送(EU土)・配達(フランクフルト市内のみ)を行っておりますが、会社や日本人会等にてイベントがございます際には飲食店として出店をし、納豆丼等の販売も行っております。

 

お近くにお越しの際、ヨーロッパにてイベント開催を行われる際には是非当店をご利用ください。

 

Natto24の詳細はこちらから】

HP: https://www.natto24.com/

Mail: info@natto24.com

Instagram: https://www.instagram.com/natto24ger/

Facebook: https://www.facebook.com/Natto24Ger/

Twitter:  @ssophyy2604

 

まずは謹んでご案内申し上げます。

 

Natto24

柴ありさ

 

85日に猛暑の中、12名の方がご参加くださいました。

 

最初は、特別展に関しての説明など、キャプションに紹介されていないことを1時間で紹介してくださいました。


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当日配布資料:資料(0805).pdf


特別展は一部屋だけですが、当時の貴重な資料や写真、現在活躍している日系人の方々の写真など興味深いものばかりでした。



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