今回は、1982年に本学法学部法律学科を卒業されたのち、ニッセイ信用保証株式会社に入社され、現在、管理業務室長を務めておられる江島広人氏を講師にお招きし、資産活用としてのアパート経営をめぐる最近の事情をテーマにお話しいただきました。
アパート経営はかねてより資産活用の一つとして注目されてきましたが、節税効果を狙って、融資(アパートローン)を受けた高齢の土地所有者がアパートを建築し、そこから得られる収益によりローンを返済していくスキームを活用する例が増えてきているようです。
その場合、高齢者への融資のため、当該アパートを相続した者がそのローンを承継する手続がおのずと必要になります。これが債務承継手続といわれるものですが、最高裁判例を通じて法改正がなされるなど、そこには大きな変革が生じているようです。
江島氏は、そうした分野における実務経験が豊富で、具体例を交えながらわかりやすく解説してくださいました。質疑応答に移っても、参加者からの質問は、法理論的なものから、ときにご自身の身近な実例を念頭に置いた具体的なものまで幅広く、熱心なやり取りが続きました。
セミナー終了後の恒例の懇親会については、新型コロナウイルス感染症に配慮し、中止することも検討しましたが、罹患例がごく限定的なこと、不特定多数の方が参加する会席ではなく、これを楽しみにされているもが少なくないことから、衛生面に十分に留意しつつ開催することにしたところ、大半のセミナー参加者が残られ、講師を交え、なごやかで楽しいひとときを過ごせました。その後、参加者からは特にお申し出がなく、安堵している次第です。
第16回「セミナー」は11月開催の予定だっただけに、この間、お問い合わせの声が聞こえてきておりました。次回は予定どおり7月初旬に開催したいと思っています。どうぞお楽しみに。
同窓会会長 矢島(法法80年卒)