2021年7月アーカイブ

前回の記事:「世界の卒業生と繋がろう!キプロスより」① 続きです。

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前回、キプロス島は南側のキプロス共和国と北側のトルコ占領地域である北キプロスに分かれているとお話しましたが、その南北を隔てるバッファゾーンの数か所にキプロス共和国と北キプロスの往来のための検問所があります。

 

私の住むキプロス共和国から、南側と北側ふたつの検問を通過して北キプロスへ入ると、すべてが基本トルコ語表記、通貨もトルコリラになり、お店にはトルコ製の物が多く並ぶなど、雰囲気がグッと変わります。ちょっとした旅行気分になれることもあり、息抜きに首都ニコシア旧市街の北側へ散策に行ったり、東に角のように伸びているカルパス半島まで海水浴に足を伸ばしたりと、北側へは頻繁に出かけていました。

 

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それがここへきての新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、つい先日まで、全検問所が(特にキプロス人以外の外国人にとっては)15か月もの長きにわたってほぼ閉鎖となっていました。検問所の動向は南北の政治情勢などを濃厚に反映するのですが、ロックダウンなどの双方の地域の対策に便乗して、分断を深めるような政治的な動きが背後で行われているようだ...というのがもっぱら周囲の見解でした。

 

そしてこの間、北側に住むトルコ系キプロス人の友人たちとは、すぐそこにいるのに会えないという切ない状況になってしまい、南北に横たわる問題の根深さ、いつでも完全な断絶となりうる危機感を肌身で感じた期間でもありました。