2023年10月アーカイブ

ロシア語学科同窓会 会員各位

 

みなさま、こんにちは。

早速ですが、2年ごとに開催しておりますロシア語学科同窓会のご案内です。

同期・先輩・後輩をお誘いのうえ奮ってご参加ください。

お送りしている郵便またはメールをご確認いただき、115日(日)までに出欠のご連絡をお願い申し上げます。

なお、同窓生で郵便もメールも届いていない方は、ロシア語学科同窓会事務局(roshiagogakka@gmail.com)までご連絡ください。

 

【講演会・総会・懇親会】20231118日(土)【1:講演会】日時:20231118日(土)16:0017:30

場所:上智大学11号館311教室(オンライン視聴できます)

講演者:井上幸義氏(16期・1976年卒)本学名誉教授演題:「ロシアの宗教・ことば・歴史  -ロシアのウクライナ侵攻から再考するロシアのアイデンティティー形成-  (ロシア語学科同窓生にとってロシアとは何だったのか?)」【2:総会】日時:20231118日(土)17:3017:45場所:上智大学11号館311教室

議題:

1. 役員改選案(会長及び会計監査の選出)2. 同窓会会則の改正案(事務局長及び会計の定数について)3. 決算案承認【3:懇親会】

日時:20231118日(土)18:0020:00

場所:上智大学11号館ラウンジ

会費: 5000円(維持会費2000円含む)

※家族2名出席の場合、会費8,000円(維持会費含む)

会費お支払い: 1115日(水)までに指定の銀行口座にお振込みお願いします。

『諜報国家ロシア-ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで-』
保坂三四郎著
中公新書 定価本体980円+税
2023年6月発行


 昨年のロシアのウクライナ侵攻後すぐに、ふと思い出して2006年に暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤが書いた『ロシアン・ダイアリー』を読み直し、ロシアが2003年から2022年のウクライナ侵攻まで一直線上にあったことがよくわかった。しかしそれでも「なぜ?」という疑問が残っていた。〔巻末に、モスクワ支局長時代にポリトコフスカヤと面識のあった田中和夫氏(11期/故人)が、その無念の思いを書いている。〕
ところが本書を読んで、パズルの最後のピースがはまるようにすべてが腑に落ちた。学科生、若い卒業生には特に読んでいただきたい一冊である。彼らが、ロシア語学習や仕事熱心のあまり、無自覚のうちに「諜報国家」に取り込まれないことを祈るばかりである。
せっかくのよい機会なので、本書に込めた思いをエストニアに住む著者から送ってもらった。

K.A
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私は、諜報機関を専門に研究しているわけではありません。ソ連崩壊から30年以上が経ち、自分が、国家保安委員会(KGB)という「過去の遺物」の研究を行うことになるとは思いもよりませんでした。1998年に上智大学ロシア語学科に入学しました。大学の授業はサボり、1年の半分くらいはインド、パキスタン、イランなどでバックパッカー(死語?)として過ごしました。
当時を振り返って思うのは、ロシアは多くの問題を抱えつつも、民主的な制度や価値観を共有する国になったのだという幻想です。学会や大学もそうで、ソ連時代の党政治から現代ロシアの「議会政治」が関心の中心となり、ソ連やロシアを特徴づける最も特殊且つ重要な制度である情報保安機関の存在は忘れ去られました。モスクワが少しでも情報保安機関に関わるテーマを研究する外国人を嫌ったこと、ソ連・ロシアに滞在したい院生や学者の自己検閲、KGBアーカイブが閉鎖されたこと、などがその背景にあります。
拙著をお読みいただいた方から「ロシアは永遠に変わらないと絶望した」という感想を頂くことがあります。しかし私の狙いは逆です。司馬遼太郎やミアシャイマーのようにロシアは地政的条件から「緩衝地帯」を必要とするとか(これはフィンランドのNATO加盟へのロシアの対応で、我々の思い込みであることが分かったと思います)、歴史的に専制的皇帝を必要としてきたから民主主義は根付かないとか、長期かつマクロな構造から将来のロシアの姿が宿命論的に解釈されることがありますが、私はそうは思いません。どこを変えればロシアが変わりうるのか。拙著では制度的要因に注目してそれを理解する鍵を示したつもりです。そのような意味で、これからロシア研究に果敢に取り組む若い学生に希望を与える一冊になればと願っております。(46期 保坂三四郎)
中央アジア、魅惑の国・キルギス物語―モスクワ、ソウル、キルギス、ウクライナへの道
ツルゲーネフ,ユーリー・ダメノビッチ/富岡 讓二【著】
2023年7月発行



上智大学ロシア語学科同窓会の皆様

この度、「中央アジア、魅惑の国・キルギス物語」、副題、モスクワ、ソウル、キルギス、ウクライナへの道を出版致しました(流通経済大学出版会、390頁 定価2700円+税)。 7年の上智生活は5年間のロシア語科と2年の経済学科、部活は吹奏楽部6年、入学初年度はロシア語の難しい文法に着いて行けずに直ぐの休学。 5年時に1964年の東京五輪では冷戦下の埼玉・戸田ボート場でロシア語通訳、緊張したが貴重な体験となる。 長い学生生活や人の世の幸せは良き人々との出逢い、しかし悲しい別れ、願うのは平和を心底にウクライナ戦争を含み、数年間書き続けました。

書くきっかけはロシアや中央アジア専門の旅行会社より、新しく設立されたキルギスの11年生の日本語学校へ、月100ドルのボランチア教師として行かないかと案内される。 学生時代から未知の地域・中央アジアに密かな興味を抱き、ロシア語を公用語とする同国でロシア語のブラッシュ・アップ。 もう一つの願いは三蔵法師がその昔、この国を通りインドへ向かった事、作家の司馬遼太郎も同国を数度訪れ乍ら、バイカル湖に次ぐ透明度の高い塩湖・イシク・クル湖を見ずして亡くなる事が人生最大の心残り、との逸話を耳にしていました。 近隣の中央アジアも訪れ、この訪問を基に小説を書き残したい等の想いから(冬の寒さから体調不良になり1年弱の帰国になりましたが)。 長い間苦しみ学んだロシア語、優秀な諸先輩と比べロシア語も楽器も3流。 だが若い時代からの、この2つの学びが私のささやかな人生路を支えて呉れました。

ロシア語では中々就職が見つからず長いアカデミック?なキャンパス生活、繊維会社に入社し一度は海外へ行きたいとの夢を抱き航空会社へ転職、間もなくソ連時代のモスクワ支店に転勤。 何事もニィエット(NO)の規制と食料事情も厳しいソ連時代、幼い子供を伴う家族生活に不安が伴いました。 楽しみはモスクワ市内、ウクライナ・ホテル内の小さなカウンター、日本からの旅行者への応対(会話)、そして懐かしい上智の同窓との再会等でした。 長年憧れていたジャズバンド・シャープス&フラッツのリーダー原 信夫さん、国内やロシアでも人気女優の栗原小巻さん、歌手の石井好子さん、ダークダックス、ロイヤル・ナイツ他の音楽関係者、ジャーナリスト、政治やスポーツ関係、国内では簡単にお話も出来ない方々、時には我が家にもお越し頂きました。 上智での才なく苦しんだロシア語や楽器練習、長く続ければ良き出逢いもあるものだ、と独り思い。 9月からアマゾンや楽天を始め他の通販でPRが始まり電子書籍化も。

9月9日には読売新聞(上記)、10月には朝日新聞に広告掲載予定です。

尚、上智大学キャンパス内の紀伊国屋書店で、10月2日より開催されています、「大学出版協会フェアー」でも展示されています。 宜しければこちらも覗いて下さい。

混沌化が進む時が流れますが、平和や安寧の時代が戻ります様にお祈り致します。 皆様、どうぞお元気に良き日々をお送り下さい。 観光、音楽、各種芸術、スポーツ等々の国際交流により、平和と人々に笑顔が蘇る時代を心から祈ります。

2023秋 冨岡譲二 こと 三田 譲 (5期卒)