上智大学後援、上智大学ソフィア会・ソフィア経済人倶楽部共催定例講演会のお知らせ
― 前バチカン大使 上野 景文氏 ―
「グローバル時代のカトリックと日本文明との関係は?」
世界の最大宗教カトリックの総本山 バチカンに4年間(2006年―2010年)、
日本国の大使としてご活躍された上野 景文氏に講演頂きます。
上野 景文氏は外交官としてニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、メルボルン、グアテマラと世界中に勤務されたご経験からグローバル時代の世界文明の中での日本文明に就いて比較文明の立場から深い洞察力と見識をお持ちです。
上野 景文氏は西欧文明の中心のカトリックに就き、日本文明とのコンテクストで今後の日本の方向性に就き示唆を与えてくれるものと思います。
上智大学は現在世界で約8,000ある大学の中で約587大学がカトリック系大学であり、アジアでのカトリック系大学の代表的大学と位置づけられています。又1549年のフランシスコ・ザビエルが来日した時のミッションを引き継いだカトリックの大学ですので、この貴重な機会を皆様どうぞお見逃し無く。ソフィア会会員、教職員、上智大学在学生、カトリックにご関心のある方々のご参加をお待ちしております。

日 時:2012年11月17日(土) 14:00-15:30
講演者:上野景文氏元バチカン大使 現在 杏林大学客員教授
テーマ:
「グローバル時代の比較文明論から見たカトリック
と日本文明と今後の日本の行方」
会 場:上智大学2号館17階 国際会議場
参加費:無料
<懇親会>
日 時:2012年11月17日(土) 15:45-17:00
会 場:教職員食堂
参加費:4,000円(当日徴収) 上智大学学生 無料
共 催:上智大学ソフィア会、ソフィア経済人倶楽部
後 援:上智大学
聴講者:ソフィア会会員・教職員・上智大学学生・カトリックへの関心者
<上野景文氏のプロフィール>
学 歴:東京大学 教養学部卒、外務省入省、 ケンブリッジ大学経済学部卒業 修士
職歴抜粋:シンガポール大使館 参事官、OECD代表部(パリ)公使、スペイン公使、
メルボルン総領事、駐グアテマラ大使、国際研修協力機構常務理事、
駐バチカン大使
主要書籍:「バチカンの聖と俗(日本大使の一四00日)」 (かまくら春秋社)
「現代日本文明論」(第三企画)
主要論文:「バチカンから見た欧州」 「バチカンから見たアジア」
「バチカンから見たアメリカ」
「文明論の視点から見たカトリック教会」「法王は国際公共財」
<上野景文の視点と論点>
日本は、明治のこの方、「個(SELF)」の独立性・自立性は確固としたもので有るべきとの前提で成り立っている西洋文明を取り入れてきたのですが、他方、これを 受け入れる日本サイドといえば、逆に「個」を自然、宇宙に溶解させてしまうこと、即ち「無」「空」の心境に至ることこそが、究極の姿だとの考えで長年やってきました。この宗教観の違いは、根本的、原理的差異であり、そのような溝が有る以上 、東西の文明の対話は思慮深く行わなければなりません。
つまり、東と西では文化の大前提が異なるというこの当たり前のことに思いを致ことなく日本の文明的状況を説明すれば、とんちんかんな説明になること、誤解を招くことは明らかなことですが、近年そのようなピンボケを説明する人が増えてきているように見受けられます。今後のグローバル化にあたって大問題と認識しています。
そのような間違った思い込みや,誤認を正すと共に、文明の根っこにある基本的違いの有する重み、意義に焦点をあてます。