大滝 史博氏 講演「中小企業が長生きするために」が開かれ、その内容サマリーをご紹介します。

            ソフィ ア経済人倶楽部講演会

講演者 :大滝 史博氏 1963 経済

     公認会計士、ソフィア会監事、 ソフィア経済人倶楽部監事

講演内容: 「中小企業が長生きするために」

      *下記にサマリーが掲載されております。

実施年月日: 4月9日(土)11:00~13:30
会費   :  ¥5000
開催場所 : 汐留のパークホテル東京「クルストフル」

参加者  : 15人

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1.私が今回の講師に推薦された理由と日頃考えていることについて

 バブル時にクライアント(主に中小企業)に対して土地や株を買わないよう事あるごとに忠告することで、クライアントは痛手を被らわずに、バブル終了後も何とか成長していったことを日頃話していました。それを聞いた仲間から、そのことをテーマに話していただけないかと言われたと考えています。土地や株は、本業に関係して投資するのであれば止むを得ないが、単純な金融投資であればバブル後には大幅な落ち込みがあり借入返済が大きな負担となり、立ち直りは難しいと前々から考えていました。

中小企業の社長の中には、学歴もなく頑張っている人が多くいます。今日の学校教育は点数を求める教育を重点に置いており、自分で考えさせる教育を行っていないと思います。過去に有名商社の研修会講師を行った経験があります。同商社に入って来る社員は、もちろん言うまでもなく学業優秀な方が多く入って来ます。会計学の勉強で正解のないような問題は出して欲しくないないと強い反発を受けました。どんな会社でも今まで経験したことがないような問題が次々と発生していくはずです。偏差値教育からの脱皮が必要だと強く感じました。

大学教育の本来のあり方及びそれを支える先生のグレードアップを実施しなければ将来の日本、それを支える企業(経営者)はとんでもないことになると日々憂いています。そのためには、少数精鋭でディスカッション形式を取り入れた教育を取り戻してもらいたいと強く感じています。昔は、生徒が少なくて皆が分かるまで授業をするという環境はなくなってきていると感じます。今の大学経営者は、大学の規模を大きくする(学生を多くする)志向には大きな問題点を感じます。

2.私が受けた大学教育について

大学は真理探究する場所だというアカデミックさをアピールし関心させてもらった大泉上智大学学長、複式簿記の奥深い原理を教えてもらって感動を受けた佐藤教授、断片的知識の非論理的集積では駄目だと教えてくれた佐藤教授の父上(早稲田大学大学院で教えを受けた佐藤孝一教授)、利害関係のある監査はしてはいけないと教えてくれた日下部教授(講師として教鞭をとられた早稲田教授)というように、私にとって高校までの勉強とは異なる感動を上智大学より受けました。高校までの教育分野と異なることもあり、大学では高校までの教育分野と異なることに感銘を受けました。

3.クライアント及びその経営者について

 経営は、ある意味でワクワクしたものでなければいけないし、武術や芸術性も必要であると感じます。世の中を先取りし、自分を鼓舞出来る能力を持った人が経営者になるべきで算術だけではなく、仁術を持って経営することが必要だと感じています。

・工業ベアリングを製造しているクライアントの社長は大学出ではないが、その社長は将来を考えてデジタルは大企業に任せて特殊なアナログ品を製造していくと言っている。展示会で新製品を発表すると韓国企業はそれを真似しようと買いに来る。そのバイタリティ―は凄いと感じるし、昔の日本はそうだったと言う。

・工業用ジャバラを製造してクライアントの社長は大学出ではないが、その社長は最近の日本人従業員は工夫をしないと言う。そのため、最近は中国進出をし、中国人の目の色の違いを感じるし、昔の日本人はそうだったと言う。

・高齢者を使っての警備会社の社長(高学歴ではない)は、最近は従業員が来ないことが困ると言う。十分すぎる年金を受け取っているので無理して仕事をしようとしないと言う。

・日本一を誇る茶袋製造会社の先代(高学歴ではない)は、営業競争を主に行っていたが、二代目(女性)は、お茶を飲む人口を増やすために上手いお茶の入れ方の指導のために多くの時間を費やしていると言う。工夫して顧客を増やす方法を考えている。

このように高学歴ではない経営者はいろいろ工夫して経営を行っています。中小企業であることの特性を生かして、独自性を持ってやっていくべきではないかと思っています。本業に専念して、無駄な金融投資に目をくれないで行っていけば、それなりの方向性は出て来ると考えています。 

4.これから来るであろうハイパーインフレに対処するにはという質問について

 先はわからない。金利動向・為替動向は考えているのと反対に動くこともあり、今後どうなるか分からないと言うのが正直なところです。日本だって、今後ギリシャやアイルランドと同じになる危険性を孕んでいます。赤字国債・大震災の発生に伴う原発の問題発生を考慮すると他人の心配をしている時ではないと感じます。よって、土地や株などに手を出すな!という私の持論になると思うのです。

以 上

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