「会員の広場」第8回 中條祐一(1981・機械卒)

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〔投稿者〕  中條 祐一(1981年機械工学科卒):足利大学教授

「卒業40年ルビー祝を迎えて」

 卒業25年記念の銀祝を仲間と祝ったのがつい先日のように感じます。あのときでさえ、ずいぶん経ったなと思ったのですが、40年とは、恐れ入りました。定年間近の自分の年齢を考えれば当然なのですが、人から言われるまで気が付かないものです。大学からのルビー祝の案内より先に、同窓生からのLINEがあり、その瞬間までルビー祝があることさえ知りませんでした。友人たちも私もいろいろな意味で人生の節目を迎えており、良い頃合いの開催時期だと思います。もちろん可能になってからですが、他の同窓生ともリアルで会って、積もる話をしたいものです。
 卒業は81年ですがその後博士前期、後期へと進学し、上智を離れたのは86年になります。所属していた研究室に新しく赴任された先生のご紹介でイリノイ大学の教授とお会いすることができ、うまく売り込みにも成功してアーバナ・シャンペーン校に研究員として2年半勤めることができました。当時は逆境下で何とか生きているとしか感じられなかったのですが、働いて、食べて、住むところもあったのですから、今考えれば博士課程修了者としては恵まれており、その後ご縁があって日本の大学に就職できたのですから、順風満帆の人生です。イリノイ大の別のキャンパスですが、勤め先の姉妹校になっていますので、いつかまた同じ場所を少し長めに訪ねてみたいと願っています。

 日本に戻って来てから、受け入れてくださった先生の言葉がきっかけで研究分野がガラッと変わりました。途上国をあちこち回り、ソーラークッカーという調理器を紹介しています。仕掛け自体はいたって簡単ですが、Made in Japanの魅力を維持しつつ途上国で買える値段のものを開発するのは並大抵でなく、協力企業のバックアップなしには何もできません。途上国からの留学生が多い環境も活用し、留学生の母国を調査対象国にしてガイド代を浮かしています。今までに訪れたのは、インド、パキスタン、ケニア、エチオピア、コートジボワール、フィリピン、タンザニアなどです。

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 また国内での活動は主に小学生から高校生までを対象とした出前授業ですが、Covid-19の影響を受けるまでは年間40回ほど行っていました。足利市と連携した出前授業も行っています。この1年はそれがほぼゼロになってしまったので、昨年の8月から1年間、晴れたら極力ソーラークッキングをする、そして同じ料理はなるべく作らない、という目標を立て、成果をInstagramにアップしています。もう料理も160品目を越えました。出勤前にセットして、帰宅するととびきり美味しい料理ができています。(冷めてしまっているのでガスか電気で温め直す必要はありますが。)
 上智で得たものは何だったのでしょうか。初めての海外で、初めて雇われ人となったとき、感謝した先生が3人おります。英語好きにしてくださった外国人教師、夏合宿で研究テーマ以外を教えてくださった指導教員、そして平やすりのかけ方を手ほどきしてくださった技術指導の先生です。身を救ってくれたのは本来の授業内容、指導内容とは全く関係のないものでした。しかしこのどれが欠けても、アメリカに2年半も居られなかったと思います。結局、上智で個々に何を学んだかではなく、上智という捉えどころのない環境に救われている気がします。そしてまだきっと、この先の自分を救う何かが、上智にまつわる経験の中に隠されている気がしています。あー、それそれ、と共感してくれるソフィアンがいると嬉しいです。

写真など

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